強迫性障害
強迫性障害ってなに?
強い「不安」や「こだわり」によって日常に支障が出る病気です。
「ドアに鍵をかけたかな?」「鍋を火にかけたままかも」と、不安になって家に戻ったという経験は多くの人がしていることでしょう。また、ラッキーナンバーなどの縁起にこだわることもよくあることです。
その不安やこだわりが度を超しているなと感じることはありませんか?戸締まりや火の元を何度も何度もしつこく確認しても安心できなかったり、特定の数字にこだわるあまり生活が不便になったりしている場合は「強迫性障害」かもしれません。
強迫性障害は不安障害の一種です。たとえば「手が細菌で汚染された」という強い不安にかきたてられて何時間も手を洗い続けたり、肌荒れするほどアルコール消毒をくりかえすなど、明らかに「やりすぎ」な行為をともないます。世界保健機関(World Health Organization:WHO)の報告では、生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつにあげられています。

引用:みんなのメンタルヘルス
原因
脳の機能画像を用いた研究の結果などから、脳内の特定部位の障害で眼窩前頭皮質、前部帯状回、尾状核、淡蒼球、視床などに機能的な異常がみられる可能性も指摘されています。
セロトニンやドーパミンを神経伝達物質とする神経系の機能異常が推定され、発症の原因としては有力視されています。ストレスが重なった出来事のあとで発症することもあります。だが、特別なきっかけなしでも徐々に発症してきます。また、もともと几帳面、完璧主義などの性格(強迫性格)の人に多い傾向があります。
種類
強迫観念には汚染不安や確認行為、加害不安などいくつか種類があります。
症状で共通することは恐怖の対象に触れると、極度の不安や緊張、恐怖を感じ恐怖の対象を回避しようとします。恐怖の対象に出会うのではないか、という予期不安を感じます。
その結果、引きこもりやパニック障害、自律神経の不調、失調といった症状が出ます。社会生活、日常生活を破壊するのです。
恐怖症と同様に、強迫性障害(強迫神経症)も「100人いれば100種類の強迫性障害」があるのです。
治療
治療法には、精神療法と薬物療法の二つがあります。
薬物ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:フルボキサミン〈デプロメール、ルボックスなど〉)、クロミプラミン(アナフラニール)、ベンゾジアゼピン誘導体(クロナゼパム:リボトリール、ブロマゼパム:レキソタンなど)、症状が重い場合は少量の抗精神病薬も用いられます。有効率は50%前後です。
精神療法では、「曝露反応妨害法(ばくろはんのうぼうがいほう)」と呼ばれる認知行動療法が有効で、強迫症状が出やすい状況に患者さんをあえて直面させ、かつ強迫行為を行わないように指示し、不安が自然に消失するまでそこにとどまらせるという方法です。適応が限られ、まだ専門家が少ないですが、薬物と同等以上の効果があるといわれています。
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